竹本染太夫(1世)(読み)たけもとそめたゆう[いっせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竹本染太夫(1世)」の意味・わかりやすい解説

竹本染太夫(1世)
たけもとそめたゆう[いっせい]

[生]?
[没]天明5 (1785)
義太夫節太夫。通称伝法屋源七。摂州伝法村の出で木綿売りから転身したと伝えられる。2世竹本政太夫の弟子で,宝暦4(1754)年竹本座に初出座。師の没後に襲名争いが起こるが,明和4(1767)年に政太夫の名跡を竹本中太夫(→竹本政太夫〈3世〉)に譲り,自身は染太夫に戻る。同 4年,経営の悪化した竹本座は退転するが,その後も再興に尽力し,近松半二作『近江源氏先陣館』『伊賀越道中双六』などで好評を博し,明和8(1771)年の『妹背山婦女庭訓』では大あたりをとった。音声無比,産地(うみじ。歌詞の音節を長く伸ばしてうたう場合の母音)運びの名人と称賛され,染太夫風と呼ばれる語り口を残した。(→浄瑠璃人形浄瑠璃文楽

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