竹枝(読み)ちくし

精選版 日本国語大辞典 「竹枝」の意味・読み・例文・類語

ちく‐し【竹枝】

〘名〙
① 竹のえだ。
※俳諧・虚栗(1683)上「蚊のごとし竹枝のやどり晉の七〈子堂〉」
楽府(がふ)題の一つ。もと蜀(四川省)の民歌で、唐の劉禹錫が蜀に赴任したとき、その曲にその地の風俗人情を詠じた歌詞をつけたのにはじまる。
※蘘園集(1770‐97)竹枝詞「無情最是隣船客、一夜殷勤唱竹枝」 〔劉禹錫‐竹枝詞序〕
③ 転じて、その土地の風俗、人情をもとにしてできた民謡など。
※南郭先生文集‐二編(1737)五・竹枝詞二首「往来無恙竹枝曲、且上春流十二灘」

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デジタル大辞泉 「竹枝」の意味・読み・例文・類語

ちく‐し【竹枝】

竹のえだ。
楽府がふ一体。その土地の風俗などを民謡ふうに詠じたもの。劉禹錫りゅううしゃくが、朗州(湖南省)に左遷されたときに、その地の歌にひかれて作った「竹枝詞」に始まる。

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普及版 字通 「竹枝」の読み・字形・画数・意味

【竹枝】ちくし

竹の枝。また、民謡の一。〔楽府詩集、近代曲辞三、竹枝〕竹枝は本(もと)巴渝(はゆ)に出づ。の貞元中、劉禹錫(りゆううしやく)、湘に在り。俚歌(りか)の鄙陋なるを以て、乃ち騷人の九歌に依りて、竹枝新辭九を作る。數里の中、兒之れを歌ふ。

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