算賀(読み)サンガ

デジタル大辞泉 「算賀」の意味・読み・例文・類語

さん‐が【算賀】

長寿の祝い。賀の祝い。40歳を老いの始めとして、以後10年単位で祝う。

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精選版 日本国語大辞典 「算賀」の意味・読み・例文・類語

さん‐が【算賀】

〘名〙 高齢の祝賀。賀の祝い。四〇歳からはじめて、以後一〇年ごとに行なうが、後には還暦古希喜寿米寿などの祝いも含める。
※日本紀略‐延喜六年(906)一〇月二三日「法皇御算賀」
[語誌](1)「東大寺要録‐一・本願章第一」には天平一二年(七四〇)一〇月八日の聖武天皇の四〇の賀が「皇御年四十満賀之設講初開講」とみえ、すでに奈良時代から行なわれていたことが知られる。この算賀の儀は饗宴奏楽作詩・作歌が主要行事であり、この儀には屏風を調進し、屏風絵・屏風歌を書いて祝の席に立てていた。
(2)祝儀の品としては、四〇の賀なら経四〇巻、白馬四〇頭など、年数(もしくはその倍、一〇倍、一〇〇倍)に数を合わせる習いであった。
(3)一〇の倍数によらない六一(生年干支が一巡する年としての還暦)・七七(喜ぶの草書からの喜寿)・八八(米の字から米寿)の賀を祝うことは、室町時代頃から行なわれ始めた。

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改訂新版 世界大百科事典 「算賀」の意味・わかりやすい解説

算賀 (さんが)

算賀とは年寿を祝賀する意で算は年齢。後世では賀(が)の祝いという。40歳から始め,50,60,……と10年ごとに祝う。供宴,奏楽,作詩,作歌が主要行事であった。中国伝来の風習で,奈良朝ごろから行われ,聖武天皇の40の賀が初見である。この儀では祝儀の品々その他は,40の賀なら白馬40匹,薬師経40巻,唐櫃(からびつ)40合というように年数(またはその2倍,10倍,100倍など)に数を合わせるしきたりだった。また竹杖や鳩杖を贈ったり,屛風を調進し,屛風絵・屛風歌を書いて祝いの席に立てることが行われた。《源氏物語》をはじめ平安朝の文学には賀の記述がしばしば見られ,後白河法皇の50の賀は盛大なものとして史上に名高く,藤原俊成の90の賀もよく知られている。室町末期ごろからは別に42歳,61歳(還暦),70歳(古稀),77歳(喜寿),88歳(米寿),90歳(卒寿),99歳(白寿)を祝うようになり,今日に及ぶ。
年祝
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「算賀」の意味・わかりやすい解説

算賀
さんが

賀の祝い

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世界大百科事典(旧版)内の算賀の言及

【年祝】より

…通過儀礼の一つ。数え年61の還暦,70の古稀,77の喜寿,88の米寿,99の白寿などの〈長寿の祝い〉を総称して賀寿,賀の祝い,あるいは算賀というが,庶民の間ではこれを年祝と呼ぶことが多い。つまり以上の〈長寿の祝い〉が年祝の典型である。…

※「算賀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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