節黒(読み)ふしぐろ

精選版 日本国語大辞典 「節黒」の意味・読み・例文・類語

ふし‐ぐろ【節黒】

〘名〙
① 矢の塗篦(ぬりの)の一つ。矢柄(やがら)の節の下を黒漆で、全体を透漆(すきうるし)で塗ったもの。
武家名目抄(19C中か)弓箭部「本間流聞書云ふしくろと云はふしの下をぬりまはしたるなり」
ナデシコ科越年草。各地の山野に生える。高さ六〇~九〇センチメートル。葉は対生し線状長楕円形。夏、梢上の葉腋に白い小さな五弁花をやや輪生状につける。花弁は先が二裂し萼の上部にわずかに出る。節がふつう暗紫色を帯びているところからの名。漢名、女婁菜。さつまにんじん。〔物品識名(1809)〕
植物ふしぐろせんのう(節黒仙翁)」の異名。〔和漢三才図会(1712)〕
④ 植物「こあじさい(小紫陽花)」の異名。〔大和本草(1709)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「節黒」の意味・読み・例文・類語

ふし‐ぐろ【節黒】

ナデシコ科の越年草。山地に生え、高さ約80センチ。茎の節が暗紫色をし、葉が対生してつく。夏、白い小花を輪生する。薩摩にんじん。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「節黒」の解説

節黒 (フシグロ)

学名Silene firma
植物。ナデシコ科の越年草

節黒 (フシグロ)

植物。ナデシコ科の多年草,園芸植物。フシグロセンノウ別称

節黒 (フシグロ)

植物。ユキノシタ科の落葉低木。コアジサイの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android