篝（読み）カガリ

デジタル大辞泉

かがり【^×篝】

１ かがり火をたく鉄製のかご。かがりかご。
２ 1を用いて燃やす火。かがり火。
３ 「篝屋かがりや」に同じ。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かがり【篝】

〘名〙

① 鉄製のかごの中に松材を盛って燃やす火。夜中の警護、照明、または漁猟の際などに用いる。かがりび。

※万葉（８Ｃ後）一九・四一五六「島つ鳥 鵜飼伴なへ 可我理(カガリ)さし なづさひ行けば」

※平家（１３Ｃ前）一一「おのおのの船には篝なともいそ。義経が舟を本舟として、ともへのかがりをまもれ」

② ①をたくために使う鉄製のかご。かがりかご。〔新撰字鏡（898‐901頃）〕

③ 「かがりやしゅごにん（篝屋守護人）」の略。

※太平記（１４Ｃ後）四「大炊御門油小路の篝(カカリ)、小串五郎兵衛尉秀信召捕て」

④ 植物「まんじゅしゃげ（曼珠沙華）」の異名。

※第２ブラリひょうたん（1950）〈高田保〉曼珠沙華「関西ではカガリというそうだが、かがり火のように燃えているとみたのだろう」

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の篝の言及

【篝火】より

…鉄製の籠の中で薪をたいて照明する火をいい，またその鉄製の籠を篝という。〈かがり〉は〈輝り〉の意であるという。…

※「篝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」