篠懸・鈴懸（読み）すずかけ

精選版 日本国語大辞典

すず‐かけ【篠懸・鈴懸】

〘名〙

① 修験者(しゅげんじゃ)が着る服の一種。直垂(ひたたれ)と同形で、背の奥袖(おくそで)と鰭袖(はたそで)の間に紐をつけるのを特色とする。普通、麻で作り、柿色に染める。能装束では、結袈裟(ゆいげさ)の異名として用いることもある。すずかけごろも。

※金槐集（1213）雑「すすかけのこけおりきぬのふるころもおてもこのもにきつつなれけむ」

② 「すずかけのき（篠懸木）」の異名。

※路上（1919）〈芥川龍之介〉三四「鈴懸(スズカケ)の並木を照らしてゐる街燈の光」

出典　精選版 日本国語大辞典