籠神社(こもりじんじゃ)(読み)こもりじんじゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

籠神社(こもりじんじゃ)
こもりじんじゃ

京都府宮津市字大垣に鎮座。社名については「籠」を「こ」と読んで「このじんじゃ」と称するのを正式としている。祭神は彦火明命(ひこほあかりのみこと)、豊受大神(とようけのおおかみ)、天照大神(あまてらすおおみかみ)、海神(わたつみのかみ)、天水分神(あめのみくまりのかみ)。崇神(すじん)天皇の代、天照大神が大和(やまと)国(奈良県)笠縫邑(かさぬいむら)から伊勢(いせ)国(三重県)へ御遷座の途次、当地に4年間とどまられ匏宮(よさのみや)(のちに与佐宮、与謝宮など)と称したと伝えられ、元伊勢宮(もといせぐう)ともよばれる。延喜(えんぎ)式内名神(みょうじん)大社で丹後(たんご)国(京都府北部)一宮(いちのみや)。旧国幣中社。例祭は4月24日で、葵(あおい)神事(葵祭)と称するが、フジの花をかざすのが古例で、獅子舞(ししまい)、太刀振(たちふり)、鶺鴒囃(ささばやし)の奉納がある。社宝の社家海部(あまべ)家の伝える海部直系図は国宝、石造狛犬(こまいぬ)、銅製経筒は国の重要文化財に指定されている。

[佐野和史]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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