米点(読み)べいてん

精選版 日本国語大辞典 「米点」の意味・読み・例文・類語

べい‐てん【米点】

〘名〙 中国山水画筆法一つ。筆を横にして平たく墨点を打つもので、主に南宗山水画に用いられる。北宋の画家米芾(べいふつ)が創始したといわれ、いわゆる米法山水の一技法
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二「前面の山林叢茂し、中に緑松を錯へて、秋樹黄葉の中に点綴したるは、青緑頳石を以て、米点の山を画くが如し」 〔芥子園画伝‐山石譜・石法・二米石法〕

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デジタル大辞泉 「米点」の意味・読み・例文・類語

べい‐てん【米点】

水墨山水画の技法の一。山や樹木などを水墨の横点を連ねて表すもの。中国、代の画家米芾べいふつ米友仁父子に由来する。→米法山水

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百科事典マイペディア 「米点」の意味・わかりやすい解説

米点【べいてん】

米法山水

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普及版 字通 「米点」の読み・字形・画数・意味

【米点】べいてん

点描法

字通「米」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の米点の言及

【米法山水】より

…北宋末の米芾(べいふつ)とその子米友仁の画風を継承した山水画で,ていねいな輪郭線は使わず,粗放な筆致や墨の面的な広がりの効果を積極的に用いて,雲煙につつまれた山水を描くものである。元代では高克恭がこれをよく描き,さらに明代,南宗画にとりこまれ,米点,無根樹などと呼ばれる形式化した表現が生まれるようになって流布し,日本の文人画にも影響例を多くみることができる。【戸田 禎佑】。…

※「米点」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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