粋方(読み)スイホウ

デジタル大辞泉 「粋方」の意味・読み・例文・類語

すい‐ほう〔‐ハウ〕【粋方】

世態・人情、特に遊里のことに通じている人。粋人
「粋だの―だのといふ事を、大通といひはじめて」〈滑・客者評判記〉
男伊達おとこだて侠客きょうかく
「おりゃ博多の又治というて、隠れのない―」〈伎・韓人漢文〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「粋方」の意味・読み・例文・類語

すい‐ほう ‥ハウ【粋方・粋法ハフ

〘名〙
① 粋人。粋な人。特に遊里のことに通じている人。
※評判記・難野郎古たたみ(1666頃)上「一与次郎とっていわく、すいほう、ぐゎち、はんすいとて三つのしなせわに申つたへしはこれいかん」
② 物事によく通じ、さばけていて物わかりのよい人。その道の人。専門家。玄人
※浮世草子・役者色仕組(1720)一「さすが粋方(スイハウ)といひ情知の御内方」
浄瑠璃・傾城阿波の鳴門(1768)八「エエ粋方(スヰハウ)の嚊に似合はぬきつい太郎四郎ぢゃ」
③ 芝居者。役者。
※浮世草子・世間子息気質(1715)三「太夫本むっとして扨は粋方(スイホウ)共を素人のこなたが、なぶって見るのか、あたご白山かんにんせぬ」
男伊達(おとこだて)。侠客。ごろつき。ばくちうち。
※浄瑠璃・軍法富士見西行(1745)二「うんとは云して半櫃へ、どっかと腰を粋方(スイハウ)の、手目を見せじと囲ふたり

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