粕屋(読み)かすや

改訂新版 世界大百科事典 「粕屋」の意味・わかりやすい解説

粕屋[町] (かすや)

福岡県西部,糟屋郡の町。人口4万1997(2010)。北と西は福岡市に接する。多々良川本支流および須恵川の低地で占められる。南北に走るJR香椎線,東西に並走するJR篠栗線,国道201号線,さらに九州自動車道福岡インターチェンジがあり,交通の便が良いため,中心集落原町(はるまち)付近まで福岡東部の市街地が拡大・延長し,かつての水田地帯は福岡市のベッドタウンとして大きな変化を遂げた。人口も急激に増加した。都市化のため農業は兼業化,零細化しつつあるが,米を中心に花卉や野菜栽培の近郊型農業が伸びている。国道沿いに工場,倉庫が立地し,商工業は発展の一途をたどっている。町東部には多数の溜池があり,なかでも長者原南方の駕与丁(かよいちよう)池は福岡平野最大の溜池である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「粕屋」の意味・わかりやすい解説

粕屋
かすや

福岡県北部の地域名。『和名抄(わみょうしょう)』では加須也として記述され、現在は福岡市東方の糟屋郡(かすやぐん)7町と古賀市からなる。近世以前は立花山以南を表糟屋(おもてかすや)、以北を裏糟屋と称した。南部農村として開け、明治以降炭田として、北部は交通の要地として発達したが、炭坑閉山となり、現在はともに福岡市郊外の住宅、工業地区になっている。

[石黒正紀]

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