粕川(読み)かすがわ

日本歴史地名大系 「粕川」の解説

粕川
かすがわ

揖斐川支流で、旧池田郡西山筋を東流、揖斐川町市場いちばで谷筋を出て平坦地の同町小島こじま地区と池田地区の境川となって揖斐川町脛永はぎなが本流に注ぐ。流路延長約二〇キロ。源流は伊吹山麓からの長谷ながたに川で、これに貝月かいづき山から流れ出る美束みつか川が春日かすが川合かわいで合流している。天正一七年(一五八九)の大閤検地時には池田地方の舟子ふなごだんを経て沓井くつい南西から脛長村の南へ東流して本流に合流していた。のち氾濫の度に沓井村の西で南北に分流するようになり、南粕川・北粕川とよばれた。元和三年(一六一七)・同四年の洪水黒土くろど村・和田わだ(現揖斐川町)・脛長村の地を大きく削り、延宝八年(一六八〇)などの洪水などもあり、北粕川が漸次本流化し現在に至っている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「粕川」の意味・わかりやすい解説

粕川
かすかわ

群馬県中東部、勢多郡(せた)にあった旧村名(粕川村(むら))。2004年(平成16)前橋市に編入。現在は前橋市の東端を占める地域。旧村域は上毛電気鉄道、国道353号が通じる。赤城(あかぎ)山の南斜面で南北に細長く広がる地域で、古くから水田による米作畑作養蚕が行われてきた。近年では土地改良事業などの農業振興を進めているが、専業農家は減少し、兼業農家による都市近郊型農業が増加している。北部に滝沢(たきざわ)温泉、南部に粕川温泉があり、古墳や縄文時代の遺跡が多い。

[村木定雄]

『『粕川村百年史』(1994・粕川村)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「粕川」の意味・わかりやすい解説

粕川
かすかわ

群馬県中東部,前橋市東部の旧村域。赤城山南麓にある。 2004年前橋市に編入。粕川沿いの米作および山麓緩斜面の養蚕,酪農,野菜栽培を主とする。赤城山の小沼 (この) から流れ出る粕川が唯一水源で,水の管理が厳重であったが,近年は群馬用水が利用されている。滝沢温泉がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「粕川」の意味・わかりやすい解説

粕川 (かすかわ)

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