糅飯（読み）カテメシ

デジタル大辞泉

かて‐めし【^×糅飯】

量の不足を補うため、米に麦・豆・大根・海藻などをまぜて炊いた飯。かて。
「新しい蚕豆の入った―」〈島木健作・続生活の探求〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かて‐めし【糅飯】

〘名〙 (「かて」は混ぜる意) 米が足りない時、米に麦、大根、豆類などを混ぜてたいた飯。かて。かていい。かてものめし。かしきがて。

※談義本・当世穴穿（1769‐71）二「神道がよいとても両部の神道ではかて飯(メシ)をくふ様なもので」

※洒落本・残座訓（1784）「百姓はなを更麦粟も大かた喰つくし、今は麦二ぶに糠(ぬか)ふすまを八ぶのかてめし」

かて‐いい ‥いひ【糅飯】

〘名〙 ＝かてめし（糅飯）

※今昔（1120頃か）五「王の御(おは)する時には白飯(しろきいひ)を与へ、王の不御(おはせ)ざる時には粮飯(かていひ)を与ふ」

出典　精選版 日本国語大辞典

和・洋・中・エスニック　世界の料理がわかる辞典

かてめし【糅飯】

米に雑穀や野菜・海藻などを混ぜて炊いた飯。◇「糅(かて)」とは、米を炊くときに量を増やすために混ぜるもの。

出典　講談社

世界大百科事典（旧版）内の糅飯の言及

【飯】より

…　ところで，日本では第2次大戦後までハレの日を除いては米に雑穀を加えたり，それらにダイコン，カブ，干し菜，干し芋，海藻などの増量材を加えて主食とした地域が多かった。こうした混ぜ物をして増量したものは糅飯（かごめし）と呼ばれた。糅飯の増量材を質的に変化させて嗜好（しこう）的なものにしたものが，変り飯，混ぜ飯，味つけ飯などと呼ばれるものである。…

※「糅飯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」