糞虫(読み)フンチュウ(英語表記)dung beetle

翻訳|dung beetle

デジタル大辞泉 「糞虫」の意味・読み・例文・類語

ふん‐ちゅう【×糞虫】

哺乳類ふんを主な餌とする昆虫ダイコクコガネマグソコガネセンチコガネ・コブスジコガネなど。動物の糞の分解者として生態系の中で重要な役割を果たしている。糞分解性昆虫食糞性コガネムシ。→スカラベ

くそ‐むし【×糞虫】

ふんに集まる食糞性の昆虫。ダイコクコガネ・マグソコガネ・タマオシコガネなど。ふんちゅう。

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精選版 日本国語大辞典 「糞虫」の意味・読み・例文・類語

くそ‐むし【糞虫】

〘名〙
① 動物の糞に集まるコガネムシ類の総称。黒色大形で角(つの)のあるダイコクコガネ類、小形のエンマコガネ類、楕円形で小形のマグソコガネ類、金緑色紫色光沢のあるセンチコガネ類など種類が多い。ファーブルの「昆虫記」のタマオシコガネもこの仲間。〔本草和名(918頃)〕
② (糞尿の中に生じるところからいう) 「うじ(蛆)」の異名。〔日葡辞書(1603‐04)〕

ふん‐ちゅう【糞虫】

〘名〙 糞壺(くそつぼ)糞溜(くそだめ)の中に生息する虫。くさった土に生じる虫。うじむし。
※信心録(ヒイデスの導師)(1592)三「funchǔ(フンチュウ)ニ ヒトシキ ニンゲン ニ クラベ」 〔菜根譚‐前〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「糞虫」の意味・わかりやすい解説

糞虫
ふんちゅう
dung beetle

鞘翅目コガネムシ科の昆虫のうち,哺乳類の糞を食物とするグループの総称。成虫幼虫ともに糞食性で,成虫は幼虫を育てるために糞塊を運搬貯蔵,加工するものが多く,その哺育習性は高度に発達しているものが少くない。雄は頭部と前胸に特異な角状突起をもつものが多く,色彩も華麗なものがある。日本には草食獣が少いので糞虫相は大陸に比べて貧弱であるが,ダイコクコガネ,ツノコガネ,エンマコガネ,マグソコガネなど数十種が知られている。またセンチコガネはコガネムシ科ではないが普通糞虫に含められる。

糞虫
くそむし

糞虫」のページをご覧ください。

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