糸満[市](読み)いとまん

百科事典マイペディア 「糸満[市]」の意味・わかりやすい解説

糸満[市]【いとまん】

沖縄県,沖縄島最南部の市。1971年市制。〈さばに〉と呼ぶくり舟に乗り南洋各地へ出漁した糸満漁夫で知られ,男は追込漁,女は魚行商に従事した。戦後出漁海域が沖縄周辺に限られたが,1982年には大型船用の新糸満港が完成,水産加工工場も立地するなど商工業の一中心として発展している。伝統工芸に,琉球ガラス村に代表されるガラス工芸や漆品がある。畑作を中心とした農業畜産も盛ん。那覇市に近く,近年は人口増加,都市化が著しい。旧暦5月4日のハーリー船競漕,旧暦8月15日の大綱引きは海神祭の行事。南部の旧三和村一帯は沖縄戦最大の激戦地で,ひめゆりの塔,健児の塔などがたち,沖縄戦跡国定公園に指定されている。46.62km2。5万7320人(2010)。
→関連項目摩文仁

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