糸満(読み)いとまん

精選版 日本国語大辞典 「糸満」の意味・読み・例文・類語

いとまん【糸満】

沖縄県沖縄島南端地名古くから住民大部分漁業に従事した。第二次世界大戦最後の激戦地で、ひめゆりの塔などの戦跡があり、沖縄戦跡国定公園に指定されている。昭和四六年(一九七一市制

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デジタル大辞泉 「糸満」の意味・読み・例文・類語

いとまん【糸満】

沖縄県、沖縄島南西端の市。古くから漁業が盛ん。沖縄戦最後の激戦地で、ひめゆりの塔などの戦跡がある。人口5.7万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「糸満」の意味・わかりやすい解説

糸満[市] (いとまん)

沖縄県,沖縄島(本島)南西端,那覇から南へ12kmにある市。1961年隣接の三和,兼城(かねぐすく),高嶺の3村と合体,71年市制。人口5万7320(2010)。旧糸満町は漁業の町で,勇敢な糸満漁夫は,昔から日本本土をはじめフィリピン,マレー半島,ジャワスマトラセレベス,ボルネオ,ニューギニアなどの海域で〈アギャー〉と呼ぶ独特の追込み漁法で活躍したが,今ではそのかげは薄れた。現在第3種漁港に指定されており,南方漁業の中継基地をめざしている。農業はサトウキビ,野菜,花卉が栽培され,畜産では豚,肉用牛が飼育される。公有水面の広大な埋立てが進み,工業団地とともに,新しい市街地が形成されてきた。名所旧跡に富み,なかでも幸地腹門中墓は沖縄県最大の破風墓といわれ,規模の大きさや構造のみごとなことで知られる。また,氏神をまつってある聖地の白銀堂は参拝者が多い。南端の喜屋武(きやん)岬の断崖上にある具志川城跡は史跡に指定されている。海神祭のハーリーと大綱引は有名。第2次世界大戦最後の激戦地で,黎明の塔,ひめゆりの塔,健児の塔など各種の慰霊塔が立ち,沖縄戦跡国定公園となっている。
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