精選版 日本国語大辞典 「約」の意味・読み・例文・類語
やく‐・する【約】
〘他サ変〙 やく・す 〘他サ変〙
① たばねる。つかねる。ひきしめる。しぼりこむ。
※令集解(868)田「闕官田為レ无レ主故。若有二借佃一者。約二公田処一」
② 省く。除く。
※菅家文草(900頃)一・仲春釈奠、聴講孝経、同賦資事父事君「是以膺レ籙受レ図之貴、非レ孝無三以約二左龍一」
③ 約束する。契約する。ちぎる。ちかう。
※平家(13C前)六「かのむすめ已(すでに)陸士が約せり」
④ 節約する。概略にまとめる。かんたんにする。つづめる。略す。
※童子問(1707)中「王道雖二固不一レ出二仁義両者一、然約而論レ之、則一仁字尽レ之矣」
やく【約】
[1] 〘名〙
① 約束すること。ちかうこと。契り。契約。
② ひかえめであること。簡約。節約。
※童子問(1707)中「知二其要一者、言(げん)必約」 〔史記‐屈原伝〕
③ 貧窮。困窮。
④ 短く簡単にすること。省略。また、省略されたもの。
⑥ =やくおん(約音)
[2] 〘副〙 おおざっぱに目で数えたさまを表わす語。おおよそ。だいたい。あらまし。大約。
つづま・る【約】
〘自ラ四〙
① 小さくちぢまる。また、うずくまる。
※石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)六「皺み(ツヅマ)れること无からしむること、牛の皮を張るが如きが」
※宇治拾遺(1221頃)三「たかき岸の三四十丈ばかりあまりたるうへに、虎、つづまりゐて、物をうかがふ」
② 短くなる。短縮される。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「歳去(ゆ)けば形も衰へぬ。月来れば命も促(ツヅ)まりぬ」
③ 要約されて簡潔になる。まとまる。
④ 期限がせまる。切迫する。
つづまり【約】
[1] 集約し、または、まとめられた結果。終結。
※寄笑新聞(1875)〈梅亭金鵞〉八号「帳尻の約(ツヅマ)り合ぬにて知りぬべし」
[2] 〘副〙 つまるところ。結局。
※大阪の宿(1925‐26)〈水上滝太郎〉四「物の理窟いふものは、教育があらうと無からうとつづまり同じ事やろと思ふとりまんね」
つづ・む【約】
〘他マ下二〙 ⇒つづめる(約)
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