出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
北海道北東部,オホーツク海に面する市。1954年網走支庁紋別郡紋別町が渚滑(しよこつ)村,上渚滑村を合体,市制。人口2万4750(2010)。北見山地の北東斜面に位置し,海岸沿いの狭長な平野部にコムケ湖,シブノツナイ湖などの潟湖がある。市街地は弁天岬の南にある重要港湾紋別港を中心に展開する。1685年(貞享2)ころに松前藩宗谷場所の一部として漁場が開かれ,1808年(文化5)近江商人柏屋善兵衛が紋別場所の請負人となり,以後和人の定住者も増え,紋別郡一帯の中心地として発展した。主産業は漁業と水産加工業で,漁業は底引網漁業を主とし,スケトウダラなどの漁獲が多い。北西部を流れる渚滑川の広い谷底平野では酪農が行われる。かつて金銀を産した鴻之舞(こうのまい)鉱山があり,盛時には全国一の産金量を誇ったが,1973年閉山した。冬季はオホーツク海の流氷が接近し,毎年2月に流氷まつりが開かれる。国道238号,273号線が通じる。コムケ湖東方には紋別空港があり,札幌と結ばれる(2008年現在は東京便のみ)。
執筆者:奥平 忠志
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