紙衾(読み)かみぶすま

精選版 日本国語大辞典 「紙衾」の意味・読み・例文・類語

かみ‐ぶすま【紙衾】

〘名〙 (「かみふすま」とも) 紙子(かみこ)で作った粗末な夜具。紙の間にわらしべを入れることもある。紙のふすま。かみぶとん。天徳寺。《季・冬》
※出観集(1170‐75頃)雑「かみふすまひきぞ捨つる老鼠ちよ迄きぬをかぶるべければ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「紙衾」の意味・読み・例文・類語

かみ‐ぶすま【紙×衾】

《「かみふすま」とも》外側を紙で作り、中にわらを入れた粗末な夜具。
尼上は―といふものばかり負ひ着て居られたりけるに」〈著聞集一二

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「紙衾」の読み・字形・画数・意味

【紙衾】しきん

紙のふすま。紙の夜着。宋・高〔周晋仙と同(とも)に夜宿す〕詩 詩人の窮すること我に似たるり 夜深うして來(きた)つて紙衾を共にして眠る

字通「紙」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の紙衾の言及

【寝具】より

…しかし実際にはこうした寝具を使えたのはごく一部で,大部分の農村では薦や蓆,藁(わら),藁叺(わらかます),籾殻,山村ではマダ(科(しな))の樹皮や籐,苧屑(おくそ)を詰めた夜衾,また漁村では海草を麻袋に詰めるといった,原始時代以来の寝具が使われていた。都市でも紙衾を使っていた人は多い。これには,和紙で大袋を作り,中に藁しべを入れたもの,厚い和紙に渋をひき,もんで柔らかくしたものなどがあった。…

※「紙衾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android