経営史学(読み)けいえいしがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経営史学」の意味・わかりやすい解説

経営史学
けいえいしがく

経営を歴史的にとらえようとする学問分野。企業史に従って経営史を展開する立場と,企業者史に経営史研究のよりどころを求める立場の2つの流れがある。前者はその社会的,構造的なものを一般にそれぞれの社会に固有な文化的諸要因,すなわち「生活目的・目標」「価値体系」「社会的格づけ」「行為形式」などに求め,その社会に特有なそうした制度化された思考行動様式がどのように企業者の意思決定と活動に影響するかを究明しようとする。後者においては企業経営の人間的主体,すなわち企業者およびその活動を従来経済史学のように経済決定論的に説明するのではなく,企業者活動自体を人間的,主体的なものと社会的,構造的なものとの接点において,つまり人間的であると同時に社会的,構造的なものとして認識し,理論的・実証的研究を企てている。

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