経営数学(読み)けいえいすうがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経営数学」の意味・わかりやすい解説

経営数学
けいえいすうがく

企業経営に数学的モデルを応用し,経営上の問題を解くための数学的手法総称。利用される手法,モデルには大別して以下のものがある。 (1) 最適化のための数学的計画 経営上のいくつかの制約条件の範囲内で利益,コストなどの目的関数の極値を求め,そのような計画を定めるもの。代表的なものとしては線形計画整数計画,非線形計画,動的計画などがある。このうちでは線形計画が最も広く利用され,生産計画,輸送問題などへ応用されている (→線形計画法 ) 。 (2) 確率的なモデルの利用 マルコフ・モデル,待ち行列理論に代表され,経営上の問題に存在する不確実性を確率モデルの利用によって処理しようというもので,市場分析などに応用される。 (3) 統計手法の利用 回帰理論による需要予測,計量経済学的な連立方程式の作成,実験計画法による市場実験や市場分析などが代表例。 (4) 経営システム・モデル 在庫管理,ネットワーク手法に代表される手法で,パート PERT,クリティカル・パス・メソッド CPMは新製品開発,工事などの段どり,管理などに応用されている。 (5) シミュレーションによる手法 経営システムのシミュレーション・モデルをつくるシステム・シミュレーション,乱数発生前提としてそれを利用して数学上の問題を解くモンテカルロ法などがある。オペレーションズ・リサーチ ORとほぼ同じものと考えられる場合も多い。

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