経済安定法(読み)けいざいあんていほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経済安定法」の意味・わかりやすい解説

経済安定法
けいざいあんていほう

経済の安定的成長を確保するために用意された特別の立法措置で,1946年アメリカで制定された雇用法,67年西ドイツで制定された経済安定成長促進法などがその代表的なもの。前者は必要な雇用水準を実現するために,必要な有効需要水準を確保することを法律的に規定したものであり,後者は中期的な財政,経済政策の方向を明らかにすることによって,経済運営の円滑化をはかることを目的とする。これらの法律はいわば経済運営の基本法律ともいうべきもので,景気変動に対して事前的に,あるいは機動的に対処するために有効とされる。たとえば経済安定成長促進法による景気調整準備金は,好況期の自然増収分,増税分を財政剰余金として積立て (凍結) ,不況期にはこれを取りくずして,景気の刺激を回避するとともに,景気の振興をはかろうとするものである。なお 1937年に導入されたスウェーデンの景気変動平衡化基金制度も,好況期に歳入の一部を留保し,不況期にこれを用いようとするものであるが,景気変動を平衡化させ,雇用を安定化させるうえで相当の効果が認められている。

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