経済整合性(読み)けいざいせいごうせい

世界大百科事典(旧版)内の経済整合性の言及

【社会契約】より

… 日本では社会契約という名称で進められた運動はないが,1973年の石油危機の際の賃金上昇に対して日経連がガイドラインを打ち出し,賃上げ要求に強硬な姿勢を示したのに対して,労働組合側が〈国民春闘〉という名称で国民一般にかかわる経済・福祉政策の要求項目を運動目標としたことがあり,これが社会契約的運動とみられる。その後の不況の長期化にともない,日本経済や企業経営の許容しうる範囲内に賃上率なり運動を自粛する〈経済整合性〉重視の運動が主流となり,この運動を指して社会契約とみる見方もある。【栗田 健】。…

【労働運動】より


[第4期(1975‐89)]
 (1)狂乱インフレのなかで30%を超える賃上げがなされた1974年春闘の直後,日経連はいまやコストプッシュ・インフレの時代に入ったとして,国民経済全体としての生産性の伸びの範囲内に賃上げを抑えると同時に,相場至上主義から脱却して産業・企業の収益力に見合った賃金決定を進めるべきだと提唱した。これに対し,労働組合の側では,春闘の主役としての地位を高めてきたJC傘下の単産やそれをバックアップする同盟のなかから,インフレ抑制のためには国民経済との整合性を考慮した賃金闘争を組むべきだとする〈経済整合性〉論が台頭してきた結果,賃上げ自粛のムードが広がっていった。しかも,この間,私鉄とともに国民春闘の主力部隊を構成する公労協は,国労,動労の反マル生闘争の勝利をばねとしてスト権奪還闘争を推し進め,75年11月下旬,8日間に及ぶ〈スト権スト〉を構えたが,国民世論をバックとした政府・自民党の頑強な抵抗によって挫折した結果,公労協は交運共闘をてことして春闘相場の底上げを図る力を失っていった。…

※「経済整合性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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