日本大百科全書(ニッポニカ) 「結城信一」の意味・わかりやすい解説
結城信一
ゆうきしんいち
(1916―1984)
小説家。東京生まれ。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。1946年(昭和21)『象徴』を編集、発行。47年、同誌に発表した『復興祭』などによって、その細やかな叙情性が認められ、文壇に登場。やがて「第三の新人」の一人に数えられた。『青い水』(1955)に始まる作品集に『鎮魂曲』(1967)、『夜の鐘』(1971)ほかがあり、老境の渇望を連作とした『空の細道』(1980)、秋艸(しゅうそう)道人会津八一の境涯を克明に描き出した『石榴抄(せきりゅうしょう)』(1981)も評価された。
[保昌正夫]
『『空の細道』(1980・河出書房新社)』▽『『石榴抄』(1981・新潮社)』