給付型奨学金(読み)キュウフガタショウガクキン

デジタル大辞泉 「給付型奨学金」の意味・読み・例文・類語

きゅうふがた‐しょうがくきん〔キフフがたシヤウガクキン〕【給付型奨学金】

奨学金うち、卒業後に返還する必要のないもの。→貸与型奨学金

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「給付型奨学金」の意味・わかりやすい解説

給付型奨学金
きゅうふがたしょうがくきん

奨学育英制度において、返済不要な奨学金。独立行政法人日本学生支援機構による給付型奨学金は、大学短大、高等専門学校、専門学校に進学する住民税非課税世帯の子供が対象で、受給希望者は出身高校の校長推薦を受ける必要がある。

 給付月額は自宅から国公立に通う学生が2万円、国公立下宿生と私立自宅生が3万円、私立下宿生が4万円で、児童養護施設出身の学生には入学一時金24万円が別途支給される。2017年度(平成29)は一部に先行支給され、2018年度から全面的に運用が開始される。日本学生支援機構ではこの給付型奨学金以外に、貸与型で無利息の第1種奨学金と年3%を上限とする利息付きの第2種奨学金がある。大学生などを対象とした給付型奨学金としては、優秀な学生を確保する目的で、試験に合格した場合にこの奨学金を利用する旨の申込みを、受験前に求める予約型の奨学金給付制度を設ける大学も増えつつある。また、財団法人や福祉法人、企業などが、学校卒業後にあらかじめ約束した職種に一定期間就くことを条件に支給する奨学金制度もみられる。

 一方、日本学生支援機構によって運営されてきた高校生を対象とした給付型奨学金は、2010年度から国によって段階的に導入されてきた公立高等学校授業料無償制・高等学校等就学支援金の制度の拡充に伴い、2014年度に入学する生徒からは、国・公・私立を問わず、家庭所得に応じて国から高等学校等就学支援金が支給される方法に変更された。また、各都道府県では、この高等学校等就学支援金の制度に加え、高校生等奨学給付金といった支援制度を設け、私立高校の授業料も無償化する地域が増えている。東京都では、2017年度から世帯年収760万円未満の家庭を対象に給付型奨学金制度を拡充し、今後は都内の私立高校生の授業料を実質無償化する。

[編集部 2017年10月19日]

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知恵蔵mini 「給付型奨学金」の解説

給付型奨学金

返済が不要な奨学金制度。給付型奨学金を独自に運営している大学や民間団体もあるが、日本の奨学金のほとんどは返済が必要な貸与型奨学金である。これを受け、低所得世帯の学生が学業に専念できる環境を国として整備しようと、2013年現在、文部科学省が給付型奨学金の導入を検討している。当初は高校生のみを対象としていたが、13年4月、大学生にも給付型奨学金を新設する方針であることが明らかにされた。いずれも、早ければ14年度から導入される見通しとなっている。

(2013-4-25)

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