統合医療(読み)トウゴウイリョウ(英語表記)integrative/integrated medicine

デジタル大辞泉 「統合医療」の意味・読み・例文・類語

とうごう‐いりょう〔トウガフイレウ〕【統合医療】

西洋医学と、補完代替医療伝統医学を組み合わせた医療

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「統合医療」の解説

統合医療

西洋医学を中心とし、西洋医学では力の及ばないところを補完代替医療で補うことにより、患者に行う総合的、全人的医療。補完・代替医療は、現在主流となっている西洋医学以外の医学で、アロマセラピーカイロプラクティック、鍼・灸、漢方医学などが含まれる。西洋医学が病気の根本原因を除いたり、対症療法を中心としているのに対し、補完・代替医療は人間のもつ自然治癒力を目覚めさせ、心身のバランスを整え、免疫力の向上を目的としている。しかし科学的根拠に乏しく、明らかな効果が証明されていないことが多いのも実情。西洋医学の代用ではなく、むしろ補完する役割を持つ。アメリカのNIH(米国国立保健研究所)が国立補完・代替医療センターを設置する(1998年)など、世界各地で関心を集めている。補完・代替医療を実施するためには、資格制度や教育機関などを早急に整備する必要がある。西洋医学における問題(副作用や医療費の高騰など)が深刻になる中、その解決策のひとつとして期待されている。近年、日本でも統合医療を実践する医療施設がいくつか設立されてきている。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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