絵絣(読み)えがすり

精選版 日本国語大辞典 「絵絣」の意味・読み・例文・類語

え‐がすり ヱ‥【絵絣】

〘名〙 染織絣(そめおりかすり)一種。緯(よこいと)を手括(てぐく)り、または板締めなどの染め方で染め分けて、花や鳥などの模様を織り出し、衣類夜具蒲団などにつくられる。模様絣。

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デジタル大辞泉 「絵絣」の意味・読み・例文・類語

え‐がすり〔ヱ‐〕【絵×絣】

主として横糸によって絵画的文様を織り出した絣。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「絵絣」の意味・わかりやすい解説

絵絣
えがすり

絵画風の模様を織り出した絣。主として模様は緯(ぬき)糸によって表される。模様には「松竹梅」「鶴亀(つるかめ)」「宝尽(づくし)」などの吉祥模様、「一富士二鷹(たか)三茄子(なすび)」といった縁起物、「小野道風(とうふう)」「惺々(しょうじょう)」、「冑(かぶと)に梅が枝」などの物語絵風のものから、「牡丹唐草(ぼたんからくさ)」をはじめとする種々の唐草模様など多岐にわたる。おもにふとん、着尺、野良着(のらぎ)に用いられた。絵絣の産地としては、島根県の広瀬、鳥取県の弓ヶ浜・倉吉(くらよし)、福岡県の甘木久留米(くるめ)などが有名で、江戸末期から明治にかけて、農家の女性が仕事の合間に絵絣を織っていた。

村元雄]


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