絶対国防圏(読み)ゼッタイコクボウケン

デジタル大辞泉 「絶対国防圏」の意味・読み・例文・類語

ぜったいこくぼう‐けん〔ゼツタイコクバウ‐〕【絶対国防圏】

太平洋戦争中に日本が絶対に確保すべき領域として定めた地域千島列島からマリアナ諸島カロリン諸島・西部ニューギニアを経てビルマ(現ミャンマー)までを結ぶ線の内側

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絶対国防圏」の意味・わかりやすい解説

絶対国防圏
ぜったいこくぼうけん

1943年9月 30日の御前会議で,大本営政府が決めた「今後とるべき戦争指導大綱」のなかで使った言葉。ガダルカナル,アッツ,キスカの諸島を失い,9月イタリアが降伏したこともあって,日本は太平洋戦争開戦以来のせとぎわに立ち,戦争指導方針を根本的に変更しなければならなくなった。そこで千島小笠原,内南洋 (中・西部太平洋諸島) ,西部ニューギニア,スンダ,ビルマを含む圏内に戦力を集中して,この地域を確保し,本土を防衛しようとし,これらの地域を絶対国防圏と呼んだ。

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世界大百科事典(旧版)内の絶対国防圏の言及

【太平洋戦争】より

…補給を断たれた孤島の日本軍守備隊は,43年5月29日のアリューシャン(アレウト)列島アッツ島守備隊を皮切りに,相次いで全滅し,大本営はこれを〈玉砕〉と発表して美化した。9月30日,大本営は千島,小笠原,内南洋中西部,西部ニューギニア,インドネシアおよびビルマを含む地域を〈絶対国防圏〉に指定したが,44年6月19~20日のマリアナ沖海戦での惨敗と7月8日のサイパン島失陥によって〈絶対国防圏〉構想は破綻した。東条内閣は重臣を中心とする東条打倒運動によって総辞職に追い込まれ,7月22日に小磯国昭内閣が成立した。…

※「絶対国防圏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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