絶対幾何学(読み)ぜったいきかがく(英語表記)absolute geometry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絶対幾何学」の意味・わかりやすい解説

絶対幾何学
ぜったいきかがく
absolute geometry

D.ヒルベルトは,その著『幾何学基礎論』のなかで,ユークリッド幾何学公理として,次の5つをあげている。 (1) 結合の公理,(2) 順序の公理,(3) 合同の公理,(4) 平行の公理,(5) 連続の公理。このうちの平行の公理は他の公理とは異なった性質をもつが,他の公理からは独立なものであって,この公理を除いても,あるいは否定しても,無矛盾な幾何学体系が得られることが知られている。平行の公理を除いた他の4つの公理によって組立てられる幾何学を絶対幾何学といい,平行の公理を否定して得られる体系を非ユークリッド幾何学という。平行の公理に無関係なこの絶対幾何学における諸定理は,ユークリッド幾何学および非ユークリッド幾何学の双方に共通な定理となる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android