絶筆(読み)ぜっぴつ

精選版 日本国語大辞典 「絶筆」の意味・読み・例文・類語

ぜっ‐ぴつ【絶筆】

〘名〙
① 筆をとめてあとを書かないこと。書くことをやめること。かきおさめること。擱筆(かくひつ)
蔗軒日録‐文明一七年(1485)四月二一日「予毎日録事、以后可。是又労心之一也」
江戸繁昌記(1832‐36)四「繁昌記第三篇は、亦予が獲麟の絶筆なり」 〔春秋左伝‐序〕
② その人が生前最後に書き残した文章書画など。
※両足院本山谷抄(1500頃)二〇「此詩は秋の作ぞ。絶筆の作ぞ」
※不如帰(1898‐99)〈徳富蘆花〉下「此は浪子の絶筆(ゼッピツ)なり」

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デジタル大辞泉 「絶筆」の意味・読み・例文・類語

ぜっ‐ぴつ【絶筆】

その人が、生前、最後に書いた文章や手跡など。「絶筆となった小説
書くことをやめること。
[類語]擱筆脱稿書き上げる書き納める筆を擱く筆を折る筆を断つ断筆

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普及版 字通 「絶筆」の読み・字形・画数・意味

【絶筆】ぜつぴつ

絶命の際の筆蹟。絶妙の筆蹟。また、書き収める。晋・杜預〔春秋左氏伝の序〕鳳五靈は、王嘉瑞なり。今、出づるも其の時に非ず。~筆を一句は、感ずるにしてる。固(もと)よりりを爲す以(ゆゑん)なり。

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