網走(読み)あばしり

精選版 日本国語大辞典 「網走」の意味・読み・例文・類語

あばしり【網走】

[一] 北海道東部の地名網走支庁所在地。オホーツク海に注ぐ網走川両岸にあって、オホーツク海漁場根拠地。貞享二年(一六八五)内地人が漁場を直営モヨロ貝塚、桂ケ岡砦(ちゃし)跡、刑務所がある。昭和二二年(一九四七市制
[二] 北海道一四支庁の一つ。旧北見国の南半分を占める。支庁所在地は網走市。
[三] 北海道北東部、網走支庁の郡。網走川・女満別(めまんべつ)川の流域にある。明治二年(一八六九)北見国の一郡として成立

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デジタル大辞泉 「網走」の意味・読み・例文・類語

あばしり【網走】

北海道北東部の旧支庁名。平成22年(2010)4月オホーツク総合振興局名称変更された。
北海道東部の市。オホーツク総合振興局所在地。オホーツク海に面し、北洋漁業の根拠地。水産加工業・畜産業が盛んで、観光地としても有名。網走刑務所・モヨロ貝塚がある。人口4.1万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「網走」の意味・わかりやすい解説

網走[市] (あばしり)

北海道北東部,オホーツク海に面する市。1947年市制。人口4万0998(2010)。市街は網走川河口部両岸にまたがり,市域東部には藻琴台地が広がり,西部には常呂(ところ)丘陵と網走台地が能取湖網走湖を抱いている。網走川の河口部北岸の史跡モヨロ貝塚はオホーツク文化の先住民居住跡で,ほかにも先住民遺跡が多い。1786年(天明6)にはすでに会所,運上屋が設けられ,漁業の拠点であった。1879年網走郡役場の設置を経て,97年網走支庁が置かれた。現在港湾は網走川河口部にある古くからの港の外側に商港が建設され,石油基地などもある。オホーツク海のサケ,マスなどの漁業基地で,水産加工も行われる。冬季は海面は結氷し,1月末ごろ流氷が接岸する。網走国定公園の中心で,天都山(名)などの観光地やオホーツク流氷館もあり,阿寒・知床の国立公園を控え,観光客が多い。JRの石北本線と釧網本線が通じる。なお網走刑務所の草創は,1890年釧路監獄署が国道開削の分遣囚を収容するため最寄(もよろ)に網走外役所を置いたのに始まり,主として重罪人の収容にあてられた。
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