綾部(読み)あやべ

精選版 日本国語大辞典 「綾部」の意味・読み・例文・類語

あやべ【綾部】

京都府中部の地名綾織を職とする漢部(あやべ)が居住したため呼ばれた。古来養蚕製糸の中心地として知られ、江戸時代九鬼氏二万石の城下町。明治以後製糸業を中心発展。昭和二五年(一九五〇市制

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デジタル大辞泉 「綾部」の意味・読み・例文・類語

あやべ【綾部】

京都府中西部、福知山盆地にある市。江戸時代は九鬼氏の城下町。古代には、綾織りを職とする漢部あやべが居住していた。繊維機械工業が盛ん。大本教おおもときょう発祥の地。人口3.6万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「綾部」の意味・わかりやすい解説

綾部[市] (あやべ)

京都府の中央よりやや北寄りにある市。1950年綾部町と中筋,吉美,山家(やまが),西八田,東八田,口上林の6村が合体,市制。人口3万5836(2010)。市域は福知山盆地東半部とその周辺の台地丘陵,さらに東方の標高500~800mの山地からなる。由良川のはんらん原や段丘桑畑に利用され,古来養蚕と絹織物で知られた。1633年(寛永10)九鬼氏が築城し,以後幕末まで九鬼氏2万石の城下町として繁栄した。明治以後は1896年の郡是製糸(現,グンゼ)設立により近代的な製糸業が発展,西日本の代表的製糸業都市となった。現在も化学繊維やメリヤスなどの繊維工業が行われるが,近年は電気機械器具,金属製品工業が盛んとなっている。国道27号線,JR山陰本線,舞鶴線が通じ,舞鶴若狭自動車道と京都縦貫自動車道のインターチェンジがある。舞鶴との境界に近い黒谷は,伝統的な和紙の産地として著名。大本教の発祥地であり,その本部がここと亀岡市と東京に置かれている。山陰本線沿線の山家には谷氏1万石の山家陣屋跡があり,東部の君尾山にある光明寺は国宝の二王門で知られる。
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世界大百科事典(旧版)内の綾部の言及

【中原[町]】より

…北部の脊振山地に源を発する寒水(しようず)川が中央部を南流する。綾部は《肥前国風土記》所載の三根郡漢部(あやべ)郷の遺称地で,中世には綾部荘があり,荘官で鎌倉幕府御家人綾部氏の居城があった。中原は近世,長崎街道の宿場であったが,現在も長崎本線,国道34号線が東西に通じ,交通の便にめぐまれる。…

※「綾部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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