緊急時の措置[公害](読み)きんきゅうじのそち[こうがい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「緊急時の措置[公害]」の意味・わかりやすい解説

緊急時の措置[公害]
きんきゅうじのそち[こうがい]

汚染物質大気水域で異常に高濃度化して人の健康や生活環境に被害を生じるおそれがある場合,日常の規制より一層強い措置をとる制度。大気,水質それぞれに定められている。大気ではさらに,気象状況その他により重大な被害が発生する場合には一層強い,重大緊急時の措置をとる。具体的措置としては,硫黄酸化物,浮遊粒子物質,一酸化炭素,二酸化窒素,オキシダントの5物質について,大気汚染防止法 23条によって操業短縮あるいは排出量の削減,自動車走行の削減を行う。一般には前者が注意報,後者警報といわれる。光化学大気汚染については,環境省は東京,大阪の4地点で気象観測を行い,気象庁は全国 19の気象官署で気象条件の解析と予報を行い,緊急時にはともに地方公共団体を通じて注意報などを発令するとともに,煤煙排出者などに自粛を要請する。水質では,異常な渇水などで汚濁が激しくなった際は,水質汚濁防止法 18条によって排出水を一時的に減少させることができる。

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