緩やか(読み)ユルヤカ

デジタル大辞泉 「緩やか」の意味・読み・例文・類語

ゆる‐やか【緩やか】

[形動][文][ナリ]
締め方や張り方がきつくないさま。衣服などのゆったりしたさま。「緩やか着心地」「緩やかに結ぶ」
動きや勢いが激しくないさま。ゆっくりしたさま。「水車緩やかに回る」「緩やかな流れ」
なだらかなさま。角度のゆるいさま。「緩やか傾斜
規律などが厳しくないさま。寛大なさま。「緩やか規制
[派生]ゆるやかさ[名]
[類語](1ぶかぶかがばがばだぶだぶゆるゆるだぼだぼだぶつくゆるいゆったり/(3なだらか緩いだらだら/(4マイルドまろやか穏やか穏便穏当紳士的婉曲えんきょく甘美快美当たらず触らず物柔らか曖昧ほどほど控え目ソフト柔らかい柔軟しなやか軟化柔らか軟質軟弱柔いやんわりぼかすぼやかすぼやけるうやむやメロー柔和温厚温和穏健まったり丸い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「緩やか」の意味・読み・例文・類語

ゆる‐やか【緩やか】

〘形動〙 (「やか」は接尾語)
① 締め方、張り方、また、着用の仕方などがきつくないさま。たるみやすきまのあるさま。ゆったりしたさま。
※御伽草子・隠れ里(室町時代物語集所収)(江戸初)下「ふげんぼさつにあらねども、大さうにくつわをかけ、ゆるやかにめされたり」
② 動きが急でないさま。勢いが激しくないさま。ゆっくりしたさま。緩慢なさま。
※多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「雨漏の音は極めて遅緩(ユルヤカ)に時を限ってはたりはたりと響くのが」
傾きや曲がり方が急でないさま。なだらかで、険しくないさま。変化がゆっくりしているさま。
※日本の橋(1936)〈保田与重郎〉「ゆるやかな丘も、茂った木立も」
④ 心に余裕のあるさま。気持のくつろいださま。のんびりしたさま。
読本・英草紙(1749)四「心は放鬆(ユルヤカ)なるべきにこれを労し」
⑤ 規律、制限、規制などがきびしくないさま。寛大なさま。
小学読本(1874)〈榊原那珂稲垣〉五「保則は何事も寛やかにして恩恵を以て民を治めしゆゑ民皆親の如くに尊みたり」
⑥ 物が水気を含んでやわらかいさま。
※小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉二「水田を耕す時、牛馬に引かしめて、土を鬆(ユルヤ)かにする器を馬杷(まくは)といふ」

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