緩らか（読み）ゆるらか

精選版 日本国語大辞典

ゆる‐らか【緩らか】

〘形動〙 (「らか」は接尾語)

① ゆるいさま。締め方や張り方がきつくないさま。また、規則や禁制などのゆるいさま。ゆるるか。

※曾我物語（南北朝頃）九「紺地の袴のくくりゆるらかによせさせ、袖をばむすびて、肩にかけ」

② 急がないさま。急でないさま。ゆっくりしたさま。ゆとりのあるさま。のんびりしたさま。ゆるるか。

※源氏（1001‐14頃）賢木「白虹日をつらぬけり、太子おぢたり、といとゆるらかにうちずしたるを」

③ たっぷりとして豊かなさま。ゆるるか。

※枕（１０Ｃ終）三六「髪のうちたたなはりてゆるらかなる程、ながさおしはかられたるに」

④ 寛大なさま。おおらか。おうよう。ゆるるか。

※書紀（720）欽明即位前（寛文版訓）「性(ひととなり)是寛(ユルラカ)に和かにまして、務矜(かなし)び宥(なだ)め存(ま)します」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

ゆる‐らか【緩らか】

［形動ナリ］
１ ゆるいさま。締めつけ、張りがきつくないさま。ゆるるか。
「帯―にかけて参る後ろで」〈落窪・一〉
２ 動きがゆっくりしているさま。ゆるやか。ゆるるか。
「いと―にうち誦ずじたるを」〈源・賢木〉
３ ゆったりと伸びたさま。豊かなさま。ゆるるか。
「髪のうちたたなはりて―なる程、長さ推し量られたるに」〈枕・三六〉

出典　小学館