精選版 日本国語大辞典 「緩緩」の意味・読み・例文・類語
ゆる‐ゆる【緩緩】
[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
※源氏(1001‐14頃)行幸「桜の下かさね、いと長うはしりひきて、ゆるゆるとことさらびたる御もてなしあなきらきらしとみえ給へるに」
② 動作が遅いさま、急がないさまを表わす語。ゆっくり。そろそろ。
※枕(10C終)三二「網代ははしらせたる。〈略〉ゆるゆると久しくゆくはいとわろし」
※玉塵抄(1563)三一「かねも一しきり三十六つくぞ。その中で十八しづかにゆるゆるとつくぞ。十八はちゃくちゃくとはやうつくぞ」
③ しだいに伸びひろがるさまを表わす語。
※和泉式部集(11C中)上「庭のままゆるゆる生ふる夏草を分けて斗にこむ人も哉」
④ 髪の毛などが、ふさやかに豊かであるさまを表わす語。たっぷり。ゆったり。
※夜の寝覚(1045‐68頃)一「かしらつき、やうだい、ほそやかにしなじなしく、きよらなるに、髪のいとつややかにゆるゆるとかかりて」
⑤ やわらかいさまを表わす語。
※米沢本沙石集(1283)九「加持せられければ、かの堅かりける物のゆるゆるとなりて、あとかたなくとけうせにけり」
[2] 〘形動〙
① 穏やかなさま。平穏なさま。
② ゆるんださま。締まりのないさま。
かん‐かん クヮンクヮン【緩緩】
〘形動ナリ・タリ〙 ゆっくりとしたさま。いそがないさま。のどかなさま。ゆるゆる。そろそろ。款款。
※和漢朗詠(1018頃)下「老鶴心閑かにして緩々(くゎんくゎん)として眠る〈都良香〉」 〔蘇軾‐陌上花詞引〕
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