縄状熔岩(読み)なわじょうようがん(英語表記)pahoehoe, ropy lava

岩石学辞典 「縄状熔岩」の解説

縄状熔岩

pahoehoeパホエホエ)は粘性が低く流れやすい縄状の熔岩のハワイでの地方的な名称である.流動に伴ってすでに固化した熔岩の表面は内部の流動によって皺がより,縄をよったようになることがある.小丘の多い流れで,滑らかな大きくうねった縄状の表面をもっている.表面が細かい破片になることはなく,塊状熔岩に特徴的なぎざぎざしたスコリア状の塊は見られない[Haskell : 1859, Dutton : 1884].
あまりガスを放出しないで可塑性のある物体として流動し,皺曲や縄状の捩れに富んだ表面をもつ熔岩で,ピッチの流れに似ている.同じ意味の語にはハワイ地方のパホエホエ(pahoehoe),アイスランド地方のヘルラウン(helluhraun),ジャガーが提唱するデルモリス(dermolith)などがある.fladen lava(うねった縄状の表面をもった熔岩)[Heim : 1873].corded lava[Coleman : 1949],デルモリス(dermolith)[Iaggar : 1917].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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