織成（読み）おりなす

精選版 日本国語大辞典

おり‐な・す【織成】

〘他サ四〙

① 織って布や模様などを作る。織り出す。

※明徳記（1392‐93頃か）下「各蓮のいとを繰て、文殊に与へ申されしかば、善哉善哉と歓喜して織なさせ給し御袈裟を」

② 経(たていと)と緯(よこいと)とで織り出すように、いろいろな要素をからみ合わせて構成する。

※大日経義釈延久承保点（1074）「生死を織(オリ)作(ナス)を世間の相と為す」

しょく‐せい【織成】

〘名〙

① おりなすこと。事を作り出すこと。

※本朝無題詩（1162‐64頃）三・秋月詩〈中原広俊〉「青銅鋳出鏡生_レ水、蛛網織成珠繋_レ簷」

② 采糸と金縷で織り上げた色あざやかな織物。

※本朝文粋（1060頃）八・月影満秋池詩序〈菅原淳茂〉「浸_二冰綃於潭面_一、如_二泉室之織成_一」 〔後漢書‐輿服志下〕

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【織成】しよくせい

織りなす。晋・楊方〔合歓詩、五首、二〕寢(い)ぬるにの被を共にし　絮(じよ)には同功の緜(めん)を用ふ

字通「織」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

織成
しょくせい

文様織物の一種。平織組織の地に，文様をつくるために必要な部分だけに太い色緯 (いろぬき) を織込んだもの。色緯一越ごとに地緯一越が入っているため，綴織 (つづれおり) より組織が緻密で，奈良時代に盛行した。現在では特定の高級帯地などにみられるだけとなった。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典