置目（読み）おきめ

精選版 日本国語大辞典

おき‐め【置目】

〘名〙

① 中世末期、また近世の為政者、武将あるいは惣(そう)などのつくった規定や法律の類。掟。

※安治区有文書‐天正五年（1577）一一月一五日・近江安治村家役掟「定 安治村家やくおきめ事」

② (転じて) 仕置き。刑罰。

※浮世草子・新色五巻書（1698）一「東海道見付の宿にてとらゑ、都に引き上り家賃出(ださ)ぬ瓦葺に仮の浮世、きはまったおきめぞかし」

③ 蒔絵の下絵技法の一種。薄い雁皮(がんぴ)紙や美濃紙に絵漆で模様の輪郭を描き、裏返しにして漆器の表にあてて写し、消粉(けしふん)、または砥粉(とのこ)を蒔きつけて鮮明な下絵をつくること。

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

おき‐め【置目】

１ 蒔絵まきえの工程の一。紙に描いた下絵の模様を漆器の面に写すこと。
２
㋐決まり。法規。
「世の―を、もどかんより」〈仮・浮世物語・一〉
㋑仕置き。処刑。
「盗みをさせて―にあふ」〈浄・丹波与作〉

出典　小学館

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

置目 おきめ

記・紀にみえる老女。
狭々城山倭帒(ささきのやまの-やまとふくろ)の妹。近江(おうみ)(滋賀県)の人。顕宗天皇が雄略天皇に殺された父市辺押磐(いちべのおしはの)皇子の遺骨をさがしもとめたとき,近江蚊屋野に案内して埋葬場所をおしえた。功により宮のちかくに住居をあたえられ,天皇に厚遇されたという。

出典　講談社