罷市(読み)ひし

精選版 日本国語大辞典 「罷市」の意味・読み・例文・類語

ひ‐し【罷市】

〘名〙
① (中国、晉の羊祜が荊州都督に在任中死んだ時、人々が追慕して市場も開かれなかったという「晉書‐羊祜伝」の故事から) 市場を開かないこと。商売をやめること。〔沈約‐斉故安陸昭王碑〕
近代の中国で、都市商人同盟を結んで一斉に商売を中止すること。〔モダン辞典(1930)〕

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デジタル大辞泉 「罷市」の意味・読み・例文・類語

ひ‐し【罷市】

市場を開かないこと。特に、近代中国で、都市の商人が同盟していっせいに店を閉め、営業を停止すること。商人のストライキ
「なお此のうえ海港の―が持続するなら」〈横光上海

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普及版 字通 「罷市」の読み・字形・画数・意味

【罷市】はいし

市場を休む。

字通「罷」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の罷市の言及

【中国】より

…専制政治下の一般商人といえば長いものには巻かれろの典型のように考えられているが,中国の場合,かならずしもそうでないらしい。それは〈罷市(ひし)〉(商売をやめる,の意より同盟閉店)という行動である。罷市は近代では例えば五・四運動,五・三〇運動,国民軍の北伐,人民解放軍の進撃の際など,学生や工場労働者のストライキに呼応して決行されたものが記憶に新しいが,実はこの罷市は古くから存在した。…

※「罷市」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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