羅洪先(読み)らこうせん(英語表記)Luó Hóng xiān

改訂新版 世界大百科事典 「羅洪先」の意味・わかりやすい解説

羅洪先 (らこうせん)
Luó Hóng xiān
生没年:1504-64

中国,明代中期の思想家。字は達夫,号は念菴。江西省吉安の人。王守仁陽明)に私淑し,王陽明の死後弟子の礼をとった。王畿と親密な講学の交流を交わしたが,彼の良知現成論には鋭く批判を加え,聶豹(じようひよう)(双江。1487-1563)の帰寂説に賛成して,よりいっそう人間のもつ背理可能性を考慮して,王門右派の重鎮となった。明末・清初の思想界に与えた影響は大きい。日本には幕末期に注目され,一部の人々に深刻な影響を与えた。著書に《羅念菴集》がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「羅洪先」の意味・わかりやすい解説

羅洪先
らこうせん
Luo Hong-xian

[生]弘治17(1504)
[没]嘉靖43(1564)
中国,明の儒学者。吉水 (江西省) の人。字は達夫。号は念庵。官途につく望みを絶って学問に志し,王陽明に私淑,聶豹などとともに陽明学右派 (帰寂派) の中心人物として活躍した。著書は『念庵集』。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android