美濃加茂(市)(読み)みのかも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「美濃加茂(市)」の意味・わかりやすい解説

美濃加茂(市)
みのかも

岐阜県中南部にある都市。1954年(昭和29)太田(おおた)、古井(こび)の2町と山之上(やまのうえ)、蜂屋(はちや)、加茂野、伊深、下米田(しもよねだ)の5村、三和(みわ)、和知(わち)の2村の一部が合併して市制施行。JR高山本線・太多線(たいたせん)、長良川鉄道(ながらがわてつどう)による鉄道交通の要所で国道21号、41号、248号、418号が通じる。2005年(平成17)には東海環状自動車道が開通、美濃加茂インターチェンジが設置された。市街地は、太田盆地の北部木曽川(きそがわ)沿いの段丘にあって、中山道(なかせんどう)の宿場町に由来し、木曽川の渡船場であった。高山線の開通以来、美濃太田駅前一帯が、しだいに商店街、住宅街などとして市街化してきた。駅前商店街の再開発が行われ、都市としての整備が進んだ。工業では、情報通信機械器具製造、生産用機械器具製造を主力とする製造品出荷額が、県下で上位にある(2010)。農業では、木曽川右岸用水の通水によって、多様な農業の活性化が図られている。山之上町では、カキ、ナシなどの果樹栽培が盛んである。蜂屋町の干し柿(がき)「堂上蜂屋柿」は特産。北部の伊深町の正眼寺(しょうげんじ)は臨済宗妙心寺派に属し、禅道場として有名である。旧中山道太田宿に残る脇本陣林家住宅は、国の重要文化財に指定されている。飛騨川・木曽川沿いは、飛騨木曽川国定公園(ひだきそがわこくていこうえん)に含まれる。文豪坪内逍遙(しょうよう)、歴史学者津田左右吉(そうきち)の出生地。面積74.81平方キロメートル、人口5万6689(2020)。

[上島正徳]

『『美濃加茂市史』全3巻(1977~1980・美濃加茂市)』


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