群集(生態学)(読み)ぐんしゅう

世界大百科事典(旧版)内の群集(生態学)の言及

【植生】より

…この場合の分類の単位は群系formationという。もう一つは種組成に基づく植生分類で,これは植生を調査して得た組成表をまとめ,その有無で植生を区分する特定の種(診断種)を抽出し,ブナ‐オオバクロモジ群集,ブナ‐アオトドマツ群集,オオバボダイジュ‐ミズナラ群集のように植生の単位を設けるやり方で,植物社会学(チューリヒ・モンペリエ学派)により行われている。この場合の基本単位は群集associationといい,群系に比べるとひじょうに細分されているが,ヨーロッパや日本を除いてはあまり行われておらず,現在のところ,世界的な植生の比較は群系による植生分類に基づいている(図)。…

【植物群落】より

…群落はcommunityの訳で,かつては共同体と訳された。現在,動物や動植物をあわせた生物の場合には群集という語が用いられているが,植物の場合は群落が慣用されている。 どういう種類の植物から群落が構成されているかを種組成という。…

【植物社会学】より

…とくに,一定の種組成をもつ単位性(不連続性)のある存在だと植物群落をみなし,標徴種や識別種という特定の種群の有無に基づいて群落を区分し,分類学のように決めた規約にしたがって群落の命名を行うところが,ZM学派の独自なところである。分類学における種にあたる基本単位は,ZM学派の群落分類では群集associationであり,それより上位には順に,群団,オーダー,クラスが,下位には亜群集,変群集などが単位として設けられている。【藤田 昇】。…

【生態学】より

…ヘッケルの視野にあったのは,生理現象が無機環境によってどう影響されるかという研究(彼はこれが生理学に入るとは考えなかった)と,C.ダーウィンが《種の起原》のとくに第3章で生存闘争を論じたときにまとめた博物学的研究の二つがおもな研究対象であり,彼はこの二つを〈関係〉ということばでうまくつなげて定義したのであった。
[群集概念の誕生]
 19世紀後半から20世紀前半にかけてこの〈雑領域〉は大きく発展し,その間に,この領域に含められていた動物行動学や動物社会学が別の系譜を経て,ある意味では独立した。また,ヘッケルの視野になかった新しい研究分野も次々に生まれた。…

【生物群集】より

…そしてこれらの生物は互いに,食う食われるの関係を中心に,さまざまに影響を及ぼしあって生活している。こうした多様な生物の集りと,その間に存在している多様な関係をひっくるめて,一般に群集と呼ぶ。 人間についていう場合の群集という語は,ふつうただ単に集まっている人々を指し,密接な関係をもっているものには使わない傾向にある。…

※「群集(生態学)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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