羽太正養(読み)はぶと・まさやす

朝日日本歴史人物事典 「羽太正養」の解説

羽太正養

没年:文化11.1.22(1814.3.13)
生年宝暦2(1752)
江戸後期幕臣。通称左近,主膳,庄左衛門,安芸守。旗本500石。寛政8(1796)年5月目付,同11年東蝦夷幕領化の際,蝦夷地取締御用掛に任じられ,享和2(1802)年に箱館奉行が新設されると,戸川安論と共に着任。文化4(1807)年西蝦夷地も幕領となり,箱館奉行は松前奉行に改称された。折しもロシア使節レザーノフが対日通商要求を拒否されたことから択捉島などを襲撃する事件が起き,正養は処理に苦慮した。彼はロシアは戦争を好まぬと判断していたが,戦闘で日本側が敗退した責任を問われ同年11月罷免,逼塞を命じられた。この間の事情を記した『休明光記』(『新撰北海道史』5巻)は基本史料。

(針谷武志)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「羽太正養」の解説

羽太正養 はぶと-まさやす

1752-1814 江戸時代中期-後期の武士
宝暦2年生まれ。幕臣。幕府の蝦夷(えぞ)地直轄にともない蝦夷地取締御用掛,のち箱館(はこだて)奉行となり,開墾や牧場づくりにつくした。文化4年ロシア船の択捉(えとろふ)島襲撃に際し守備兵が退却した責任をとわれ逼塞(ひっそく)を命じられた。文化11年1月22日死去。63歳。江戸出身。著作に「休明光記」。

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