翩翩(読み)へんぺん

精選版 日本国語大辞典 「翩翩」の意味・読み・例文・類語

へん‐ぺん【翩翩】

〘形動タリ〙
① ひるがえるさま。軽やかなさま。
文華秀麗集(818)上・秋日別友人〈巨勢識人〉「林葉翩翩秋日曛、行人独向辺山雲」
※北国紀行(1487)「旧跡の雲に連なれる所を過て、三浦が崎の遠き渚を扁扁として行に」 〔詩経小雅・四牡〕
② 軽々しくて落ち着きのないさま。
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉松本の話「何うかして翩々(ヘンペン)たる軽薄才子になりたい」 〔易経‐泰卦〕
才気のみなぎるさま。風流なさま。
一年有半(1901)〈中江兆民〉三「田口卯吉君は翩々たる好博士也」 〔史記‐平原君伝賛〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「翩翩」の意味・読み・例文・類語

へん‐ぺん【××翩】

[ト・タル][文][形動タリ]
軽くひるがえるさま。
「衣を―と翻して」〈谷崎・魔術師〉
軽々しく落ち着かないさま。
「何うかして―たる軽薄才子になりたい」〈漱石・彼岸過迄〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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