老耄(読み)おいぼれる

精選版 日本国語大辞典 「老耄」の意味・読み・例文・類語

おい‐ぼ・れる【老耄】

〘自ラ下一〙 おいぼ・る 〘自ラ下二〙 (老いて、耄(ほ)れる意。古くは「おいほる」) 年を取ってぼける。老衰のため心身ともに働きがにぶくなる。ほる。もうろくする。おいほく。
書紀(720)顕宗二年九月(図書寮本訓)「気力(いきちから)(おとろ)へ邁(す)ぎて老い(ホレ)(うつ)け羸(つか)れたり」
※絅斎先生敬斎箴講義(17C末‐18C初)「年寄たらば、老ぼれぬ様に敬む」

おい‐ぼれ【老耄】

〘名〙 (古くは「おいほれ」) 年を取ってぼけること。また、その人。ぼれ。多く、老人をあなどっていう場合、老人自身が卑下していう場合などに用いる。
※大唐西域記長寛元年点(1163)四「老叟(オイホレ)をして独り先名を擅(ほしまま)にせしむることなかれ」
日葡辞書(1603‐04)「Voibore(ヲイボレ)

ろう‐もう ラウ‥【老耄】

〘名〙 (「老」は七〇歳、「耄」は八〇歳・九〇歳の老人の称) おいぼれること。もうろくすること。また、その人。ろうぼう。
霊異記(810‐824)下「縁小(すくな)く年を歴て、老耄して力弱く」

おい‐ほう・ける【老耄】

〘自カ下一〙 年老いてぼける。おいぼれる。おいぼける。
星座(1922)〈有島武郎〉「五十二といふのに、その人は六十以上に老ひ耄ふけてゐた」

おい‐ほ・く【老耄】

〘自カ下二〙 年老いて感覚が鈍る。おいぼれる。
落窪(10C後)一「おいほけて、物のおぼえぬままにのたまへば」

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デジタル大辞泉 「老耄」の意味・読み・例文・類語

ろう‐もう〔ラウ‐〕【老×耄】

[名](スル)おいぼれること。また、その人。耄碌もうろく
「―し、血のめぐりが悪くなっているからと」〈谷崎・少将滋幹の母〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「老耄」の読み・字形・画数・意味

【老耄】ろうぼう(らうばう)

老いぼれ。〔周礼秋官司刺〕三刺三宥(いう)三赦(しや)の(はふ)(法)を司る。~壹赦に曰く、幼。再赦に曰く、老耄。三赦に曰く、愚(しようぐ)。

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