肥国(読み)ヒノクニ

デジタル大辞泉 「肥国」の意味・読み・例文・類語

ひ‐の‐くに【肥国/火国】

肥前ひぜん肥後ひご両国の古称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「肥国」の意味・わかりやすい解説

肥国【ひのくに】

火国とも記す。肥前国肥後国の古称とされるが,おもに肥後国をさす。《古事記》国生みの段に,筑紫(つくし)島(九州)4国の一つとして肥国がみえる。《日本書紀》は,景行天皇の船が火の光を見て無事着岸することができたとして八代県(やつしろあがた)豊(とよ)村を火の国と名づけたという地名伝承を載せる。《肥前国風土記》は肥君らの祖,健緒組が土蜘蛛(つちぐも)を討ったとき,火が天から山に降って燃えたため,火の国としたと伝えている。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「肥国」の解説

肥国
ひのくに

火国とも。現在の熊本・佐賀・長崎の3県にあたる地域にあった国。「古事記」大八島生成段に筑紫島の1国として筑紫・豊(とよ)・熊曾(くまそ)(熊襲)3国と並べて記される,「日本書紀」「国造本紀」に火国造の記事があり,「日本書紀」安閑紀には豊・筑紫両国とともに屯倉(みやけ)を設定されたことがみえる。7世紀末に分割されて肥前・肥後の2国になった。

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