胆礬(読み)たんばん(英語表記)chalcanthite

精選版 日本国語大辞典 「胆礬」の意味・読み・例文・類語

たん‐ばん【胆礬】

〘名〙 (「たんぱん」とも) 結晶水をもつ硫酸銅。古くから、吐剤、除虫剤などに用いられる。青色半透明ガラス光沢をもつ三斜晶系結晶。硫化銅鉱床に産出。水に溶ける。石胆。〔全九集(1566頃)〕 〔夢渓筆談‐二五〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「胆礬」の意味・読み・例文・類語

たん‐ばん【胆×礬】

《「たんぱん」とも》硫酸銅からなる鉱物。青色半透明で光沢がある柱状・板状結晶。三斜晶系硫化銅鉱床に二次鉱物として産出。吐剤・除虫剤などに用いる。カルカンサイト

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「胆礬」の意味・わかりやすい解説

胆礬
たんばん
chalcanthite

銅の可溶性二次鉱物の一つ。「たんぱん」とも読む。多量に産出すれば銅の鉱石鉱物となる。多く塊状、鍾乳(しょうにゅう)状、ときに短柱状の自形をなす。水に溶け、その溶液は結晶同様青色を呈し、その中に鉄片を入れると表面に銅が着生する。日本では岩手県和賀(わが)郡湯田(ゆだ)町(現、西和賀町湯田)土畑(つちはた)鉱山、秋田県尾去沢(おさりざわ)鉱山(閉山)、兵庫県生野(いくの)鉱山(閉山)などで自形結晶を産した。化学の分野での呼び方に従うと硫酸第二銅五水和物となる。英名ギリシア語のchalkos(銅)とanthos(花)に由来する。

加藤 昭 2017年9月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胆礬」の意味・わかりやすい解説

胆礬
たんばん
chalcanthite

硫酸塩鉱物一種。 CuSO4・5H2O 。三斜晶系。短柱状,板状結晶であるが鍾乳石状,腎臓状,粒状の形になることが多い。ガラス光沢をもち,半透明の青色を呈する。比重 2.28,硬度 2.5。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android