デジタル大辞泉
「胡乱」の意味・読み・例文・類語
う‐ろん【×胡▽乱】
[名・形動]《唐音》
1 正体の怪しく疑わしいこと。また、そのさま。「胡乱な者がうろついている」
2 確かでないこと。真実かどうか疑わしいこと。また、そのさま。
「誤を正したり、―な所は字書を引いて見たりして」〈風葉・恋ざめ〉
3 乱雑であること。また、そのさま。
「かき本は字が―ですぢない字どもをかきをけども」〈史記抄・高祖本紀〉
[補説]「胡」は、でたらめの意。また胡が中国を乱したとき、住民があわてふためいて逃れたところからという説もある。
[派生]うろんげ[形動]
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う‐ろん【胡乱】
〘名〙 (形動) (「う」「ろん」ともに「胡」「乱」の唐音)
① 乱雑であること。勝手気ままでやりっぱなしであること。また、そのさま。
※了幻集(1392頃)適里人回、所賜宝偈并面醤謹以領之、発緘珍誦而霑法味、不為不多、廼賡偈二首「三十年来胡乱後。方知三馬祖示二真情一」
※史記抄(1477)七「字が胡乱にてすぢない字どもかきをけども」 〔
碧巖録‐一則・本則〕
② 不確実であること。不誠実であること。あやしく疑わしいこと。
合点がゆかず、ふに落ちないこと。また、そのさま。
胡散(うさん)。
※史記抄(1477)六「胡乱な事を云ふとて、とらようとしたれば」
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)三「
証拠なくては胡乱なり」
[語誌](1)「
正法眼蔵」や、五山僧の「了幻集」に見えること、また唐音で読まれることからも、
禅宗によって伝えられた語と見られるが、禅宗用語というわけではなく、「朱子全書」等、宋代以後の様々な
文献にも見える。
(2)「胡」も「乱」も「みだれたさま」を表わし、ほぼ同じ
意味で使われていることがうかがえる。語の意味も、中国では①の意味であったが、
日本では②の意味をも派生し、後にはこちらの意味の方が多用されることとなった。
うろん‐げ
〘形動〙
うろん‐さ
〘名〙
こ‐らん【胡乱】
〘名〙
① (━する) あいまいなこと。あてにならないこと。また、あいまいにすること。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「胡乱」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報