能所（読み）のうじょ

精選版 日本国語大辞典

のう‐じょ【能所】

〘名〙

① 仏語。能と所。主体と客体。能依(のうえ)と所依、能化(のうけ)と所化などの類。

※性霊集‐一〇（1079）詠十喩詩・詠妙幻喩「三種世間能所造、十方法界水蓮城」

② 犯罪行為などの行為自体を表示する証拠・しるし。また、その行為の原因となったことがらや人間。

※春日社記録‐中臣祐定記・仁治二年（1241）六月二七日「於_二山内西辺_一僧一人被_二殺害_一。能所共不_二露顕_一之間、空送_二日月_一」

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

能所
のうじょ

仏教用語。ある行為をなす行為者を能といい，その行為がなされる目的または対象を所という。教化指導する人を能化 (のうけ) といい，教化指導される者を所化 (しょけ) というのはその一例である。

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