脱屣（読み）ダッシ

デジタル大辞泉

だっ‐し【脱^×屣】

１ 履物をぬぎ捨てること。転じて、未練なく物を捨て去ること。
２ 《「孟子」尽心上から》帝王が執着なく位を去ること。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

だっ‐し【脱屣】

〘名〙

① はきものを脱ぎ捨てるように、愛着の念なく物を捨てさること。

※万葉（８Ｃ後）五・八〇〇「知_レ敬_二父母_一忘_二於侍養_一不_レ顧_二妻子_一軽_二於脱屣_一」 〔漢書‐郊祀志上〕

② (「孟子‐尽心上」の「舜視_レ棄_二天下_一、猶_レ棄_二敝屣_一也」による) 天子が執着の念なく、帝位を退くこと。位を惜しげもなく捨てること。

※続日本紀‐霊亀元年（715）九月庚辰「釈_レ累遺_レ塵。将_レ同_二脱屣_一。以_二此神器_一。欲_レ譲_二皇太子_一。而年歯幼稚。未_レ離_二深宮_一」

※山槐記‐治承四年（1180）三月四日「上皇御脱屣之後始被_レ修_二七瀬御祓_一」

出典　精選版 日本国語大辞典